たいつノート

ゲーム等の感想置き場

【ゲーム感想】ヘンタイ・プリズン 全てのHENTAIに捧ぐ 痛快無比な獄中エンタメ

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みなさんこんにちは。

Qruppoがまたやってくれました。同ブランドの処女作である「ぬきたし」の評判は既に言を俟たないところですが(※)、上がりに上がったハードルを容易く超えてきた最新作、「ヘンタイ・プリズン」(以下ヘンプリ)の感想を書き連ねたいと思います。

途中までネタバレはありません。

 

※当ブログの感想はこちら。

t1ghts.hatenablog.com


〇ネタバレのない範囲のゲーム紹介

のっけから絶賛ムードを漂わせてはいますが、実は私もプレーするまでは「ぬきたしより面白いことなんてあるのか……?」と少々懐疑的でした。

発表当日に勢いで予約を入れていたので、体験版にも手を出さず、宣伝はカウントダウン動画を見ていた程度。その動画も、狂気的に下ネタが繰り広げられていたぬきたしの没シナリオ集よりもやや抑えめで、作風も変えてきてシリアス寄りな感じなのかなぁと勝手に思っていました。

実際、掴みとしては「抜きゲーみたいな島」で学園生活をやる方がどう考えても強い、これは仕方ないところです。確かに冒頭の導入シーンは重たく、なかなか愉快な話も進まないので若干まどろっこしさを感じるのも否定はできません。

ですが、そう時間も経たないうちに次々と波乱が押し寄せ、ジェットコースターのように話は進み、気づけば目が離せなくなっていました。どんでん返しのカタルシスの連続で、雰囲気としてはカイジとか半沢直樹(ちゃんと見てないけど)が近いように思います。

 

主人公である湊柊一郎が、プリズンで何を成そうとするのか? ヘンプリは、いったいどんな物語なのか? ……これは宣伝では意図的に伏せられていると思うのですが、個人的にはかなり意表を突かれました。と同時に、たしかにエロゲでしか描けない、これぞQruppoというようなテーマでもあります。

結局、何も知らないままプレーしたほうがいいに決まっているので、私からは「体験版をやってくれ!」としか言えません。

こちらです。

qruppo.com

 

ただ、もしあなたが「ぬきたし」をプレー済で、面白いと感じていたなら。「とにかく買ってくれ!!」と言わざるを得ません。特に無印グランドルートが刺さった方、間違いなく「買い」です。

(美岬ルート的成分は少しばかり抑えめですが……と言いつつ、下ネタは当たり前のようにそこかしこにあるので、比較基準がおかしいだけというか、慣らされてしまっただけかもしれません)

 

そして、もしあなたがぬきたしを通っていなければ、何ならぬきたしからやった方がいいという説が濃厚です。多分とっつきやすいし。何よりその方がヘンプリを更に楽しめます(重要)。

ぬきたしの体験版はこちらです。

qruppo.com

 

何だかQruppoの回し者じみてきましたが、単にこの素晴らしい作品を多くの人に触れてほしいという一心なのです(光栄なことに?「ぬきたし 感想」とかでググると当ブログが真っ先に出たりするっぽいので……)。

未プレーの方に向けた紹介もほどほどにして、本題の感想に入りたいと思います。

 

 

 

以下は、ネタバレが含まれます。注意!!!

 


〇感想 各ルートについて

千咲都→ノア→妙花の順でクリアしました。ま~とにかくグランドが素晴らしかったんですが、ヒロインの個別ルートはしっかりまとまったグッドエンドという趣です。

個別ルートは、結局のところ各ヒロインのそれまでの価値観の延長にあって、柊一郎が全力でそれをサポートする、という物語の帰結にあるのかなと思います。千咲都は誰かに必要とされながらも地下で生きていける手段を見つけ、ノアは姉との和解を果たし、妙花は波多江組として「H」騒動を解決しました。どれも普通にハッピーエンドで、各キャラの思い通りの結末ではあります。

ですが結果として、柊一郎自身の問題は、自己(アマツくん)と向き合うことがないまま、「他者を愛する」という経験によって副産物的に解決してしまいました。

 

グランドを読み返していて気づいたのですが、作中のゲーム制作で最終盤のプロットを見直したい、という会話を19班のメンバーでしている場面で、各々がかなり示唆的な発言をしています。千咲都は世間的な価値観はともかく登場人物の感情に寄り添ってあげたいと言い、ノアはヒロインが間違ってるなら殴ってでも止めろと言い、妙花は最後まで連れ添うのが夫婦だと言う。これってそれぞれの個別ルートに綺麗に対応してますよね。で、柊一郎が言う「新しくやりたいことを探す」(→ゲーム制作)というのがまさにグランドになると。

これに限らず、作中劇「ドスケベESP物語(仮)」もとい「ヘンタイ・アンド・ザ・シティ」は、本編とラップするように描かれていて、構成的に上手いなぁなどと思ったりします。

 

もう一つメタい観点では、敵対する看守陣営が対称的なのも上手い作りですよね。夕顔と敵対する千咲都ルートでは樹里亜と組み、樹里亜と敵対する妙花ルートでは逆に夕顔と組む……という、まさにゲームの醍醐味とも言えるような展開がよかったです。これまたグランドでは総力戦になるのも鉄板。

全体的な話はこれくらいにして、以下個別の感想。

 

・千咲都ルート

一番シンプルで短いながらも、夕顔というこれ以上なく分かりやすいヒールに一泡吹かせるという王道のシナリオ。パコルを使ったプリズン掌握の過程がいかにも獄中ものという感じで、面白かったです。

ただ普通に面白いんですが、やっぱり一味足りない感じがしてしまうのは、良くも悪くも2人の純愛物語できっちりまとまっているからかも。サブキャラが掘り下げられてる他のルートの方が好みかなぁというのが個人的な所感です。

 

・ノアルート

番号的には妙花が先に来てるのですが、選択画面で真ん中にあったのでついノアを先にやってしまいました。

ダブルヒロインというほどではないけど、ソフりんも掘り下げてくれる姉妹丼ルートです。ソフりん、自分の性癖に刺さり気味なのもありますが、それを差し置いてもめっちゃいいキャラですよね。つまりそんなソフりんが主役級のノアルートが個人的にはかなり好きです。

 

姉妹の問題を解消して脱獄で終わるかと見せかけて、そこからが本番。尺的にも普通に脱獄エンドだと思ってました。

ラストは若干やけ気味の爆発シナリオ(by伊栖未)なのですが、それでも「物故ろしてやるぜ、ベイビー?」がボイス付きで聞けるのはアツい。にしてもやっぱり夕顔の名やられ役っぷりは素晴らしいものがあります。エロゲ界の香川照之と言っても過言では……流石に過言でしたかね。

 

ちなみにノアルートで明かされたとおりにお姉ちゃんのしらす丼を作って食べてみたのですが、卵黄と煎り胡麻の濃厚な味わいに生姜醤油がピリッと利いてすこぶる美味しかったです。シャバにいる皆さんにはぜひお試しいただきたい。

 

・妙花ルート

シナリオ全体としては個別ルートで一番好きかもしれません。うっすらと美岬ルートを彷彿とさせるスケコマシ的展開に、畳みかけるような「前☆戯☆王」ネタの数々。私がちょうど射精ュエリスト世代ということもありますが、下ネタのキレが冴えてます。

それだけじゃなく、波多江組のファミリー感がすごいいいんですよね。三羽烏との交流であったり、あとはとにかく小沢。「波多江の強肩」があそこまで活きるオチってなんですか?

ヤクザらしく、最後が大立ち回りで締まるのも爽快感があって好きです。あとはキッチリ満期出所をするのはこのルートだけだったりするのですが、そこも回収が上手いなあと。

 

・グランドルート

シナリオが上手すぎてヤバいとしか言えなくなりました。グランドの名に恥じず、全てのキャラの物語を描き切り、これしかないというエンドに至る最高の物語だったと思います。

ドスケベESP物語は「主人公が居場所を見つける物語」であると語られていたように、まさしくヘンプリは湊柊一郎がこの世界に居場所を見つけるまでの物語です。そしてその過程は、作中劇では仲間を得ながら「街」を守る使命感に目覚めていくというものであったように、グランドでは柊一郎が各ヒロインと絆を結びつつ看守長を攻略しながら、プリズンの囚人や看守みんなから信頼を勝ち取っていく、というものです。一人ずつ名前呼びになっていくところとか、ベタだけどめちゃ好きですね。

 

それぞれの個別ルートで示された課題や伏線を全部取り込んで、しかもまとめきっているのが本当にすごいです。伊栖未ルートでもあり、ノアルートでもあり、妙花ルートであるばかりか、夕顔、樹里亜、ソフりん、小沢、夏海、凜、はたまたクソ森ですら、攻略対象と言っていいと思います。オールキャラ詰め合わせでグランドルートの名に恥じない贅沢な仕上がりです。クライマックスのモブキャラ大集合もアツい。

そして長い長いエピローグの末に描かれる、釘谷さんの物語もまた素晴らしいです。エロゲーのくせにラストがおっさんの笑顔で、しかもこんなに胸を打たれるなんてことがあっていいのでしょうか。マジで卑怯。

 

柊一郎が周りに受容されていく過程自体も、笑いありアツさありで非常に読みごたえがあるのですが、それが柊一郎自身の更生に直結しているのがまた話の上手いところなんですよね。

樋口女史との会話シーンを通じて、露出の原因が精神障害によるものであることがそれとなく示唆されますが、他者への共感ができないという社会性の欠如が柊一郎の抱える疾患であり、罪の元凶でもあったようです。自ら相姦係数を引き受けて死刑になることを選んでいるあたりから、本当に最後まで自覚はなかった様子ですが、ボタ山の崖で自らと向き合いアマツくんがいなくなったあの瞬間に、おそらく解消されたのだろうなと思います。

そしてこれが物語のクライマックスを綺麗になぞるように、脱獄のための最後の一手になったという構成の上手さは本当に脱帽です。

 

個別ルートが終わったときは「やっぱ面白いな~」ってぐらいの印象だったのですが、グランドルートで完全に持ってかれましたね。マジで感服しました。


※オマージュ元について

有名な映画なのでご存知な方も多いと思いますが、「ショーシャンクの空に」の影響が割と色濃いような気がします。

わかりやすいところだと「調達屋」の釘谷さん周りの話はかなり意識されてるように思います。所長の右腕になるような展開とか、再会に至るまでのシーンが顕著かなぁと。章タイトルも「Tulip Redemption」で原題まんまですし。

あとは収監直後のシーンがそっくりだったり、わいせつ房の背景とか図書係とか、釘谷さんの口からモンテ・クリスト伯の名前が出たりとか。

もちろん本作のオリジナリティと素晴らしさは疑いようがないのですが、獄中ものとしての"らしさ"というか、エッセンスが上手く活かされてるなぁと思った次第です。


ヘンプリで描かれたもの

ジャンル名は「露出狂のプリズン脱獄ADV」で、事実としてそれは間違っていないのですが、本質的にはいわゆる創作ものっていうか、「エロゲ制作エロゲ」ですよね。「漫画制作漫画」(ハメマン。)とか「アニメ制作アニメ」(SHIKOPAKO)みたいなやつです。

このテーマを獄中ドラマと悪魔合体してまとめ上げている手腕は凄まじいの一言ですが、よくよく考えてみると、性犯罪とか表現規制とか、「性」を巡る問題に切り込むにはプリズンって案外沿った舞台設定だなと思います。

 

性行為や性的嗜好は他人に強制されるものじゃない、他人に迷惑をかけていいものじゃない、というメッセージはぬきたしのときから一貫していたように思いますが、ヘンプリでは更に一歩踏み込んでエロゲの作り手としての想いも託されているのかなと。

この辺は好みは分かれるかもですが、メーカーの熱意とか信念みたいなものが感じ取れて、私は嫌いじゃないです。やっぱりエロコンテンツ(HENTAI)って世間では肩身が狭いと思うんですよね。そこにあって好きなものは好きと言っていいんだよ、っていうのはエロゲユーザーに向けたエールのようにも感じられるわけです。

 

〇ぬきたしとのつながり

完全に別ゲーだと思っていたのですが、まず花丸妹が出てきて嬉しいサプライズでした。次第に青藍島の存在が明かされ、ぬきたし世界と地続きの舞台設定であることが判明します。ハメー彗星や青藍島での大立ち回りが10年前の~というような会話があったので、多分10年後なんでしょう。

空手の流派だったり、「今はマニラにいる」夕顔の心理学の先輩だったり、キーワード程度のつながりでも嬉しいファンサービスだなぁなどと思っていたのですが。さらにはノアルートで名前の出る「凄腕の操縦手」が美岬だったりしないかなぁと妄想していたのですが。

まさかのNLNS全員登場、しかも超いいところで淳之介の腕が出てくるという演出に思わず声出ました。ファンの気持ちを理解してるってこういうことだなぁと思います。

 

エピローグでも文乃ベイビーと思われる存在が確認できたり、いろいろと想像が膨らみますよね。

おまけ冊子のようなところでも構わないので、ぬきたしとヘンプリの公式クロスオーバーが何かしら見れないかなぁと思ってます。


〇ゲーム周りの話

シナリオの素晴らしさは上で語ったとおりですが、ゲーム部分も相変わらず丁寧な作り込みです。

まずは演出面の進化。ぬきたしからゲームエンジンが変わったこともあるのか、めちゃくちゃ動きます。セリフ途中のフェイス変化だったり、多種多様な効果音だったり、丁寧な演出でした。

 

システム的にはボイス登録だったりシーンジャンプだったり、じっくり読み返すのに嬉しい機能が満載です。UIもすっきりしてていいですよね。タイトル画面でワンテンポ置かないとボタンが押せないのは改善してくれるといいなと思ってますが……(自分の環境の問題?)。

 

BGMもやっぱり素晴らしいです。プリズンという少しダークな雰囲気に寄せて日常曲は抑えめな分、要所でがっつりテンションを上げてくれるロック調の楽曲が印象的です。特に決め場で流れがちな"I'll pay you back"と"Exectue you"がお気に入り。あとは何といってもED2 "I can't be a superstar"が最高ですね。歌詞公開が待ち遠しいです。
原曲があるとはいえ"The Entertainer"もハマってて好きです。千咲都のテーマと思われる"Thousands of pages"もいいですね。


〇最後に

冒頭にも書きましたが、ぬきたしで高まった期待値を飛び越えるめちゃくちゃいい作品でした。Qruppoブランドとしてのエッセンスは押さえつつ、ヘンプリのキャラクターや舞台でしか描けない物語を存分に味わえました。

ドラマCDでもファンディスクでも没シナリオでもいいので、このキャラたちの幸せなエピローグをもっと見ていたいなぁという気分です。何かしら出れば即購入させていただく所存ですので、Qruppoさん、どうぞよろしくお願いします!

 

以上


初稿:2022/02/06

改訂:2022/02/07 某映画を観たのでちょっと追記。

原神近況 育成等々

みなさんこんばんは。

 

原神、次々と来る稲妻エリア拡大や1周年を迎えて盛り上がってますね。

日課はサクッとこなせて、やろうと思えばどっぷり浸かれるというバランスがちょうどよく、何だかんだプレーも続いております。

以下近況など。

 

・万葉くんめっちゃ強い

ようやく最終突破を終え、元素熟知が600に到達しましたが……雑魚専でめっぽう強く、移動はサクサク、ジャンプも便利とフィールド探索の鬼ですね。

適当な元素スキル設置→万葉ジャンプ&万葉キックでヒルチャール一同は消え失せます。使い方がややこしいかなと色々考えこんでベンチ要員が長かったのですが、探索パに組み込んで単に雑に使ってもいいキャラなんだなあと再評価。天賦を上げなくていいコスパの良さも光ります。

螺旋で雑魚が散ってるときこそ使いたいのですが、絶妙に届かないバラケ具合なのが痛いところ。

 

・祝 凝光さん完凸

リリース後初引きの高レアキャラとして末永く愛用してきた凝光さんが、先日のピックアップを経てついに完凸!

星旋3つの重撃が十分強いのにプラス7個ですからね、強くないわけがない。スキル爆発重撃スキル……のセットプレーのDPSが爆上がりした感じがします。

むしろ完凸以上に、四風聖典をきちんとLv90にしたのが大きく火力に貢献している気がしなくもないです。紀行武器だと重撃にダメUPが乗らないのが地味に痛い。結局星5ゲーですからねえ。……とはいえ、下手な星5<完凸した星4、というバランスは上手いなあと思ってます。

凝光さんも(四風持ちなのでなおさら)フィールド適正は高いんですが、岩と風の反応がないので万葉とセット起用できないのが惜しい。そういえば元素反応追加のリークがあったような気がしますが、どうなったんですかね?

 

・タルタリヤ公子お迎え

凝光さん欲しさにちょろっとガチャを回しただけなのに、来てしまった……。いや決して、欲しくなかったわけではないんですけど、胡桃ちゃんを控えておりましたので……。

新イベでも見せ場がありますが、敵役のくせに(だからこそ?)なかなかいいキャラなんですよね。人気が出るのも頷けます。

水アタッカーがいなかったり、優秀なスイッチアタッカーが欲しかったりと、人材需要としてはマッチしております。ちょうど紀行をこなしているといい具合に1キャラ育成できるので、今期はタルタリヤ君を頑張って育てていこうと思います。

 

 

他のゲームについて……

・Qruppo期待の新作「ヘンタイ・プリズン」延期残念ですね。ですが、てんこ盛りな特典の数々にかえって美味しいのでは?と思ってます。開発正念場だと思いますが頑張ってほしい! 楽しみに待ってます。

FF14 さんざんクソゲーと叩いてた割に、なんだかんだ帰ってきてしまった。イシュガルド目指してまったり進めます。こっちのプレイ日記はLodestoneでコツコツ公開していければと。

シャニマス FesTours、流石にひどくないですか? 周年にリリース間に合わせたかったということかもしれないけど、本当にテストプレイとかしていたのか疑わしいレベルでひどい(そもそも面白いかはさておいても、快適なプレイを阻害する要因が多すぎる)と思います。シナリオは抜群に上手いのにお世辞にも面白いと言えないゲーム、シャイニーカラーズ。なんだかなぁ……。とか言いつつ課金して支えてるんですが、気持ちよくプレイさせてほしいですよね。

 

そりでは!

【ゲーム感想】月姫 -A piece of blue glass moon- 完膚なきまでに心をえぐる色褪せない傑作ADV

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※途中からネタバレがあります。

 

・はじめに 月姫との出会い

思えば型月作品を避けていた時期があった。

私がインターネットに触れ始めたゼロ年代半ば頃、時はまさしくノベルゲー全盛期であり、fateCLANNAD等々の時代を代表する傑作が次々とリリースされていたらしい。もっぱら携帯用ゲームに勤しんでいた自分には縁遠いジャンルで、2chにただようそんな空気を他人事のように眺めていたような記憶がある。

中二病をどれだけマイナーな良作佳作を掘り起こすかという玄人ぶる方向性にこじらせてしまった結果、どことなくメインストリームを避けつつ育ってきてしまったために、型月ファンから聖典のように語られる「月姫」も当然リアルタイムで触れることはなかったのだ。

 

時は経ち。虚淵が書いているから間違いないぜというオタクのすすめでfate/zeroからTYPE-MOONユニバースに入門し、fateにハマり、FGOやらCarnival Phantasmやらを履修し、気付けば「やっぱ奈須きのこは天才なんだよな~」などと当然のように口走るようになっていた。

さて月姫である。いい加減年を取って丸くなってくると、「名作」「古典」と呼ばれるものがいかに素晴らしいものかということに気づき始める。やったら面白いのは間違いないんだろうけど、古すぎて流石に手が出んな~と思っていたところで、どうやらリメイクが出るらしい。10年単位で待ちわびていたファンの方々の気持ちは知る由もないが、これは運が良い。それはもう大層に泣いたという友人の猛プッシュもあって軽率に購入。

 

結論から言うと、めちゃくちゃハマった。すんっごい面白い。
貪るように読み進め、気付けば3,4日をほぼ月姫のみに費やす羽目となった。この感動というか衝撃というか、諸々の心情を書き留めておかねばならないという使命感を強く抱いたので、以下感想。


以降はネタバレを含むので、1mmでもプレイする可能性のある方は避けてください。というか、もし月姫をやらずにこのブログを読んでいる人がいるとするならば(いるのか?)、月姫をやらない理由がないので、今すぐ買ってください。ノベルゲームというジャンルに抵抗がなければ間違いなく面白いので。


アルクェイドルート

古今東西どのような傑作であれ、フィクションにおいて描かれるテーマは得てして普遍的なものである(故に、傑作とは時が経っても色褪せない)。アルクェイドルートの骨子は、「感情を知らなかった存在が、少年と出会い、恋をして、別れる」と極めてシンプルに書いてしまうことができる。何を陳腐な、と思うかも知れないが、本作をプレーし終えた我々がそのように感じることは全くない。

本作をここまで良質な物語たらしめているのは、緻密に練り上げられた舞台設定・世界設定と、それらを十全に使い尽くしてプレイヤーを作品世界に引き込む優れたストーリーラインや描写力であろう。

 

まず出会い方からして反則級である。殺してしまった相手と再会する、という発想からして飛び道具にも程がある。だが月姫という世界において、真祖とは殺されても生き返る(本来は死ぬこと自体がイレギュラーな)ものであり、志貴にとって死の線は見えるものであって、そこに違和感やこじつけはまるでない。

むしろ、なぜ志貴は出会い頭のアルクェイドに殺人衝動を抱いたのか?という謎は、冒頭から描かれる不穏な回想シーンや志貴の過去とあいまって、本作全体を読み進めていく原動力になっている(そして悲しいかな、現在リメイクされた範囲ではまだその謎は明らかになっていない)。

(こう書いていてふと気付いたのだが、同じく傑作ADVと名高い「STEINS;GATE」も「ヒロインの死体を目にする」という衝撃的な光景から始まり、タイムリープという"空想科学"をギミックにストーリーが展開していく……という点で構造は似通っているかもしれない。何にせよ、現実には起こりえない要素を取り混ぜることで、フィクションは飛躍的に面白くなる、という一般論に帰結できるようにも思う)

 

その後、志貴は吸血鬼との戦いに身を投じるが、「殺人の責任を取る」というこれ以上なく重い動機を背負っており、プレイヤーにも「やらされている感」を微塵も感じさせない。

こうしてアルクェイドと時を過ごしていくうちに、気付くと、我々はすっかりアルクェイドに魅了されているのである。

分岐後のルート内容は比較的シンプルだが、それ故にアルクェイドの魅力がストレートに感じられる、素晴らしいボーイミーツガールに仕上がっている。

 

アルクェイドはこの上なく魅力的に描かれたヒロインだ。わがままで、無邪気で、純真で、何よりかわいい。大人びた美しい外見と無垢な子供っぽさのギャップ、非人間的な達観した価値観を持ちながらも感情的で生き生きとしている振る舞い等々、ただの元気系ヒロインにはない深みも持っている。およそ好意を向けられて恋に落ちない者はいないのではないか。

そんなアルクェイドのキャラクターも、彼女の特殊な背景設定なくしては成り立たないし、人間ではないからこその魅力に満ちあふれている。そもそも志貴に好意を抱いたきっかけですら、「生まれて初めて殺された相手だから」という理由なのだ。

不死の存在と、それを唯一殺しうる手段を持ち、あまつさえ殺してしまった人間、という二人の関係が運命ではなくてなんだというのか。

このように、月姫の作品世界においては、一つ一つの設定がキャラクターの行動原理や感情理解に深く根ざしており、決して中二病的な飾り物に過ぎないということはない。

 

そしてアルクェイドに身も心も魅せられた志貴君とプレイヤーに待ち受けているのは、彼女との別れである。

私は何よりハッピーエンドが好きだし、全てのエンタメは大団円こそ至高という立場にいるが、こと月姫に限っては、これが正しいエンディングだと思う。もちろん心情的には満足するはずもなく、空虚感と喪失感で呆然とするほかなかった。それでもなお、「このエンディングに点数を付けるなら?」と聞かれれば、満点と答えざるを得ない。

アルクェイドは本来志貴の人生と交わるはずのない超常の存在と、頭では分かっていながらも、心のどこかでは一緒に過ごしていける未来があるのではないかと期待している部分もあった。それでもアルクェイドは、志貴への想いを胸に、ロアと死力を尽くして戦うことを選んだ。志貴と別れ、月夜を跳ねながらロアの元へ向かうシーンは、間違いなく本作のクライマックスだ。バックで流れる「生命線」インストver.が沁みる(※)。

運命的な必然で二人が出会ったように、二人の別れもまた必然と言える。収まるべきところに物語は収まったという実感があるだけに、ことさらに別れは悲しい。だが、これこそがアルクェイドルートの結末なのだと、我々は彼女との思い出を胸に刻みつける。私にとっては本当に稀なことだけれども、満足感のある素晴らしいビターエンドだった。

※余談だが、特典の月姫読本によると、楽曲名はすべて奈須きのこ自ら名付けたという。この曲名が「ハッピーエンド」というのがまた泣ける。シエルトゥルーエンドを観た後にタイトル画面の曲もちゃっかり切り替わっていて、これまた泣ける。


・シエルルート

正直なところ、プレーする前も、アルクェイドルートを進める間も、シエルのことを好きになる気配は全くなかった。アルクェイド一筋の選択肢を取っていたので序盤の学園生活でも相当影が薄く、その後もヒロインとしての大きな絡みはないままにクリアしてしまうことができたからだ。そもそも、こういうショートカットってあんまり好きじゃないんだよな……。

ところが、である。我ながらチョロすぎてどうかと思うが、衝動的に人を殺し茫然自失となった志貴君の元に手を差し伸べてくれたシエル先輩の暖かさに、オタクの心は一瞬で氷解した。こんな優しい人がいていいのだろうか。

一緒に過ごすようになると、優等生然とした面白みのないキャラだという印象がガラガラと崩れ落ちていく。このカレー先輩、なかなかに可愛げがある。

不幸で悲惨な過去を背負った少女を救う、というのはある種エロゲーのお約束的な展開ではあるのだが、やはり良いものは良いものだ。キャラの掘り下げや志貴君の心情描写が丁寧で、自然とシエル先輩に肩入れしてしまう自分がいる。


……と、ついキャラ愛を語ってしまうが、本作の見所は恋愛要素だけではない。

シリアスからコメディまで、あるいはヒロインとのデートから一大スペクタクルまで、描かれる物語の振れ幅は大きい。ジャンルを当てはめようとするならば、ミステリー、サイコホラー、学園もの、アクション活劇、この辺だろうか。あらゆる方向に心を動かされ、様々な描写で感情を鷲掴みにされる。

特筆すべき点として、一人称ADVという性質をこれ以上なく生かし切った演出手法は本当に素晴らしく、例えば「眼鏡を外さない」ことが選べない程にまで追い込まれた際の遠野邸での出来事は文字通り鳥肌が止まらなかった(ここ、琥珀さんはすべて分かっていて平然としているよね? ますます裏側が気になって止まない……)。

特にシエルルートは「志貴が吸血鬼化して変貌していく」という違いがあるため、キャラクターの葛藤や凄惨なBAD END等、より重厚で深みのある展開が繰り広げられる。

 

アルクェイドルートは飾らないシンプルさが心に響くが、シエルルートの練り上げられた巧みなプロットには思わず唸ってしまう(このあたりのカラーの違いは、リメイクにあたってアルクェイドルートはオリジナルに忠実に、シエルルートは大幅にリライトしたという制作方針もありそう)。

そして、ここでもロアという設定の生かし方が抜群に上手い。アルクェイドにとっても、シエルにとっても、ロアは殺すべき対象である。そんな因縁の存在が乗り移ろうと主人公の中に巣くっているなんて、話が面白くならない訳がない。何しろ普通の恋愛ものであれば「二人のヒロインが主人公を奪い合う」くらいがせいぜいなのに、「二人とも主人公が好きだから/好きなのに、全力で殺しに来る」のだ。

シエルもロアに人生を大きく狂わされたうちの一人であって、ロアを宿した志貴とそう易々とは結ばれてくれない。自らの罪に対する責任感や贖罪に費やしてきた半生と、目の前の吸血鬼を愛してしまったという現実の間で、揺れるシエル。その葛藤は志貴を殺そうという戦いの中でピークに達し、まだかろうじて人間性を保っている志貴に抱き留められることで、決壊する。ここでオタクの涙腺もまた決壊する。シエル先輩を殺すことなんて、できないよ……。

 

さらに白眉であるのは、ロア自身が、単なる設定や舞台装置にとどまらず、一人のキャラクターとしてきちんと描かれ切っている点である。

ロアは紛う事なき悪である。自身のために他人の人生を平気で踏みにじる、およそ許されない悪人である。間違いない。ただし、神学者であった時代の彼には崇高な理念があって、不死の存在を目指していた。そして何より、真祖アルクェイドに出会ってしまった後は、ただ純粋に、アルクェイドという永遠を追い求めていただけなのだ。不死の探求はアルクェイドに近づこうという営みの一部でしかなく、人命を何とも思わない極悪非道の所業の数々は、それを行うための手段に過ぎない。

だから許されていい、という話ではなく。現にロアが生きている限り、物語が幸せに閉じることはない。アルクェイドルートでは、志貴の異能によってロアは転生すら許されない死という結果を迎える。シエルルートノーマルエンドでは、志貴が道連れにすることでロアは消滅する。同じ肉体を共有していた志貴は、キャーンズの秘蹟(※)によって生き返るものの、シエルの命は失われてしまう。

※シエルに転生した15代目ロアの研究テーマは「継承」だった。シエルは自らの運命を譲渡したのだと思われる。ぽっと出の設定ではなく、回想でさりげなく触れられている点が細かい、というか上手い。……ちなみに、ロアの転生が16回目ということと、アルクェイドが17分割されたことって、何か関係あったりするのだろうか。有識者の意見求む。

 

シエルルートトゥルーエンドにおいて、ロアの転生は唯一平和的に解決される。

アルクェイドの暴走によって魂の上書きに失敗したことで、志貴とロアは奇妙な共闘関係に入る。おそらく正常に目覚め損ねたこの時点で、吸血鬼としてのプログラムされたロアは既にエラーを起こしており、志貴と対話しているのはオリジナルの人格にかなり近いロアではないかと考えられる。

故に、志貴の「アルクェイドにとって相手にすらされていない」という語りかけが、最後にロアを突き動かしたのだと思う。志貴がロアの感情に訴えかけたからこそ、ロアはオリジナルであったときの行動原理を思い出し、輪廻の手段が絶たれた中、自ら満足してその運命を終えたのだろう。

シエルトゥルーでは、物語の諸悪の根源であるロアでさえも救済され、真の意味でハッピーエンドを迎える。やってきたことがことだけにロアは許しがたいが、それでも「昨日の敵は今日の友」的なクライマックスの展開がアツいのは事実だ。複雑な因果が絡み合ったロアをめぐる一連の物語が、ともするとアルクェイドルート以上に綺麗に幕を閉じたという感慨深さがあって、これら二つのエンドは甲乙付けがたい。


ノエルもまた、しっかりとシエルルートで掘り下げがされた、魅力的なキャラクターの一人だ。突如赴任してくる新任のお姉さん先生というだけでもつかみは完璧だが、その正体は代行者であり(ギャップその一)、次第に狂気的な一面が明かされていく(ギャップその二)。

ノエルは徹底して凡人である。代行者でありながらも、(途中までは)冷徹で仕事人間に映るシエルと比較して、どこか不真面目で人間味が抜け切れていない。シリアスな展開の中で溢れ出る小物感がいいアクセントになっている。

過度な嗜虐趣味にしても、彼女生来のものではなく、シエルに転生したロアの悲劇から唯一生き残ったというトラウマによるものだろう。マーリオゥからも心が壊れかけていると評されていたが、おそらくこれが吸血鬼との戦いに身を置いた人間にとって普通の反応なのだ。人間離れした精神力を持つシエルに比べて、ノエルは実に等身大のキャラクターである。

ノエルにとって、ロアの器という憎い仇でもあり、精神的にも実力的にも超越した同僚であるシエルが、志貴という討伐対象に入れ込むことの落胆、そして一蹴されたことへの怒りや絶望は、死徒化という最悪に歪んだ形で発現してしまった。しかしこれも彼女が真っ当な手段ではシエルに勝ち得ないという自身の限界を悟ったからこその、凡人なりの意趣返しなのだ。

ロア同様に、ノエルの行いは悪行そのものだが、その背後にある動機や感情は極めて人間的で俗っぽい。それ故に、我々はノエルを嫌いになることができない。彼女もまた、ロアが引き起こした悲劇の被害者に過ぎない。


順番が前後してしまったが、まだ語っていないキャラがいる。ヴローヴ・アルハンゲリだ。

志貴やアルクェイドにとって半ば通り魔的な登場ではあったが、戦いが進むにつれ狂気から覚醒し、序盤の山場にふさわしい堂々とした敵役だった。これこそが津田健次郎というようなドスの効いた、けれどもどこかセクシーな声色も非常にマッチしている。

ヴローヴは何よりアクションシーンが格好いい。バトル描写の素晴らしさは流石の一言で、優れた筆致もさることながら、躍動感のある演出や豊富なカットインも相まって、ビジュアルノベルであることを忘れるレベルの迫力と没入感があった。OPでチラ見せされるが、仮にこれがufotableでアニメ化したら……と夢想せずにはいられない。

ヴローヴ戦は、志貴とヒロインの絆を強める「越えるべき壁」であるが、悪としての吸血鬼像が序盤に力強く印象づけられることで、アルクェイドや志貴の物語もまた深みを増している。ヴローヴもプロット上はやられ役に過ぎないとはいえ、本作を彩るキャラクターの一人として、大きな存在感を誇っている。

 

こうしてみると、本作のキャラクターは、主人公である志貴も含めておよそほとんどが人外じみた存在なのだが、その実極めて人間的な動機付けで動いており、それぞれの信念や情動に忠実だ。アルクェイドが最たる例だが、本作のいわば黒幕とも言えるロアもその例に漏れない。

ファンタジックな世界や事象を扱っていながらも、物語が我々の心情をストレートに打ち抜いてくるのは、やはり血の通ったキャラクターによって描かれる人間ドラマが優れているからだろうと思う。

アルクェイドルートのラストに繋がる、再会の約束をした夕暮れの教室で、アルクェイドは自分の生き方や感情に抱いている疑問を志貴にぶつけた。そこで得た答えは、無駄に人生を過ごしたっていい、ただ生きていることは素晴らしい、という極めて素朴なものだった。

これこそが、作品の根底を流れる、ありのままの生の肯定という力強いメッセージに他ならない。登場人物は悲劇に見舞われ、苦悩を抱えているキャラクターばかりだ。残酷な描写も多く、決して明るい話とは言えない。しかし、だからこそ、生きること、そして人を愛することの輝きは際立って見える。志貴も、アルクェイドも、シエルも、懸命にただ生きている。ロアですらかつてはそうだった。

 

本作は優れた娯楽作品であると同時に、どこかずっしりとした重い読後感がある。18歳以上対象となるだけの描写も、避けては通れない必然性を持っている。キャラクターを通じて描かれるドラマが、その背後にあるテーマが、心に響く。これだけの爪痕をプレイヤーの心に刻み付ける作品は、やはり名作と呼ばれるに相応しい。

 

・最後に

きれいに〆かけたところで、実はなんとまだ重要な三人のヒロインが残っている。

翡翠! 琥珀さん! そして秋葉!!!

残念なことに、非常に残念なことに、本作は未完であり、残されたこれらのルートを描く続編は鋭意開発中とのことである。

 

作中に散りばめられた謎には解けきっていないものも多い。志貴の本当の過去は? 遠野家の真の姿とは?(志貴が狂ったときの翡翠ちゃんと琥珀さんの反応が怖すぎる) 形見のナイフの「七夜」とは? 怪しすぎる斎木という男とみおの正体は? メルブラにはなぜ有馬家の都古ちゃんがカンフー美少女として参戦しているのか?(※これは作外) 等々。

だとしても、本作で描かれた三つのルートでは、それぞれの物語はきちんと完結を迎え、消化不良は一切ない満足なものだった。

 

月姫という物語がさらに続くことは喜ばしくもあり、一方で非常~~~に待ち遠しくもある。

よもや自分が月姫リメイクを心待ちにする立場になってしまうなんて、思いもよらなかった。秋葉しゅきしゅき侍の自分がどうなってしまうのか(実はキャラとしては秋葉が断然一番好き)、タスクの積み上がった奈須きのこが果たして何番目に月姫リメイクに取りかかってくれるのか、心弾ませながら続報を待ちたいと思う。

 

月姫、文句なしの傑作だった。シュタゲにちらっと触れたように、あの作品もこの作品も影響を受けているんだろうなあと色々語ってみたいことはあるが、いったんはこの辺で。

素晴らしい物語を本当にありがとう! つづく!!(さて、何年後に……?)

 

【初稿】2021/09/26

原神 ビルド編成考察 雷電将軍編(ver2.1時点)

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稲妻の探索をバリバリと進めております。

絶対引くぞ〜と意気込んでいた雷電将軍を無事お迎えし、魔神任務やら伝説任務でかわいいところもあるじゃねえかチクショウと愛を深め気づけば2凸していました。恐るべしmihoyo。

 

実装前には北斗合うんじゃない?などとのたまっていたものの、蓋を開けてみれば色々と噛み合わないことが分かったので、育成途中であることも踏まえつつ手持ちのキャラとの相性なんかを書いていければと思います。

最適解を探るぜ、という感じではなく、今後の伸びしろを見つけていく企画ですのでご了承ください。

 

・PT内での役割

瞬間火力に特化したサブアタッカー兼PTの元素爆発を激烈に強化するサポーターという役割になるかと思います。(用語の問題ですがサブというのは火力が劣るという意味ではなく常駐しないということです、念のため)

 

運用・使用感は西風装備サポーターの延長という感じでしょうか。単に延長とは言えないくらい火力・ブースト速度ともに飛び抜けている気がしますが……。

 

立ち回りはざっくり言うと、

① 元素爆発を打って大ダメージを出す

② 元素爆発バフ(夢想一心)状態で「攻撃を当てて」PTに元素エネルギーを供給する

③ (任意)装備型のスキルを残して退場、後続に雷元素と元素爆発ダメバフを提供する

④ 他のメンバーが元素爆発を打って将軍の願力を貯める

①’ 貯めた願力で更に強化された元素爆発を出す……

というループを繰り返します。常に元素爆発をモリモリ打てるお祭り状態で、とても楽しいです。

 

サポート特化はどうなのよという視点もあるかもしれませんが、②の「殴らないと元素エネルギーが貯まらない」という点がキモで、ここをスキップするとPT全体の元素爆発回転率もガタ落ちしますし、そもそも①②でとんでもないダメージを稼げるポテンシャルを秘めているのに、火力を捨てるのは本末転倒という気がします。

というよりも、元素チャージを上げるほど勝手にダメージが伸びるというクソ強天賦を持っており、重ねて絶縁とのシナジーがあるので、ほっといても火力が出てしまいます。

 

・本人の凸数について

以降の前提になってしまうので、ここで触れておきます。

 

1凸で、元素爆発による願力チャージが20%(雷キャラは80%)増えます。しばらく無凸で運用してましたが、願力が溢れる場面はそう多くなく、「爆発できるけど願力が物足りないな〜」という場面を減らせるので堅実に強いです。単純に底上げといった印象です。

2凸で、元素爆発ダメが防御力60%無視という破格かつ超貴重なデバフを獲得します。ま〜強いですね。別枠乗算は正義です。ヒルチャールごときは一太刀で消し飛び、取り巻きを一掃して精鋭に集中できるので、夢想バフを取りこぼさずに当てられるという副作用もいいです。

 

どちらも劇的に運用が変わったりするものではないので、火力伸ばしたいなら、という感じでしょうか。伸び幅がえげつないですが。

 

・聖遺物/武器

前述のとおり元素爆発を振ることにPT加速という最大のアイデンティティーがあるので、やはり元素チャージが最も欲しく、加えて元素チャージを盛るほど天賦により雷ダメが伸びるので、聖遺物は絶縁一択です。

 

ここも課金厨がよ〜と思われそうなので早めに白状しておきますが、草薙無凸を使ってます。

絶縁の天井となる元素チャージ300%を目指そうとすると、どうしても元素チャージと攻撃系会心系の配分に悩まされます。元素チャージを攻撃力にコンバートしてくれる草薙が合わない訳がないですね。攻撃杯が一個おまけで付いてくるようなものです。

 

チャージ過剰では?とも思ったんですが、天賦による雷ダメとエネルギー加速の上昇幅は天井がなく、とにもかくにも元素爆発を撃たないことには始まらないので、「打ちたい時にいつでも打てる」というのはデカく、かなり使いやすいです。

 

調子乗って全部位のサブOPを元チャ狙いで厳選した結果、最終的に300は超えてしまいそうなので、今後何%くらいが使いやすいかは探っていきたいと思います。幸いにも絶縁のお下がりは引き取り手数多なので…。

 

ちなみに現在(Lv80、草薙88、聖遺物20)のステータスは、ざっと攻撃2,200/元チャ300/会心率ダメ70,70/雷ダメ80ぐらいです。お強いこと。

(会心黄金比から率に寄せてるのは、一刀で確定会心をやりたいのと、若干は裟羅待ちだったりします)

 

・PT編成

いよいよ本題。シナジーがあるキャラ適性としては、①元素爆発が強力で極力80族②雷とシステム的に相性のいい感電/超電動要員③瞬間的なDPSに長けている、あたりでしょうか。

 

◯エウルア

これら全ての面で完全に噛み合う相方がエウルアです。更にみゆきち×サトリナという00年代後半のオタクに刺さりがちな構成…はさておき、エウさんの元素爆発ってめちゃくちゃ強いんですよね。超絶火力の分チャージ不足で出しづらいという難点を将軍がガッチリとカバーできます。

フルチャージが必要な場面は限られるため、エウルア登場→スキル単押し→元素爆発→スキル長押し→(物理耐性ダウン&プチ爆発起動)→通常に飽きたらキャラチェン、でも普段使いには十分すぎるダメージが出ます。更に元素爆発メインなら大剣の振りの遅さもあまり気になりません

更には将軍スキルで超電導も起こせるわバフも乗るわと、エウルアに欲しい要素しか持っていません。

 

◯行秋

誰とでも合うっちゃ合うんですが、通常攻撃トリガーの追撃/水/80族という点で、他のアタッカーに比べても将軍幕府からの需要はかなり高いです。

将軍もエウルアも接近戦かつ「限られた時間に攻撃を当てに行く」ことが重要なので、ゴリ押しアーマーと元素反応の怯みが欲しいんですよね。

 

しかし弊ワットの人材事情では、螺旋を考えると胡桃に回してあげたいので、どうしたものかと悩みどころ。

代打のモナ氏をちょこちょこ育てていて、元素爆発のデバフが将軍のお膳立てに良さそうではあります。ただし彼女は既に元素チャージを盛るビルドが自己完結しているので将軍との組み合わせでどうなるのか、今後の検証課題です。

 

◯七七

行秋くんだけだとヒーラー成分が若干足りず、どうせ凍結するなら氷共鳴欲しいじゃん!ということで採用。アタッカー2名がデカい一発をぶち込めるので、凍結からの会心も狙いやすいです。

爆発をポンポン打てるようになって気づいたのが、お札の回復力の凄まじさですね。スキルと組み合わせれば殴られても殴られても倒れないゾンビ(むしろキョンシー)戦法が取れます。

熟知配れる完凸ディオナがいれば入れ替えかなあとは分かってるんですけど……あと1枚来たらというところです。

 

◯裟羅 ※エアプです。

冒頭でも少し触れたように、うちの将軍様会心ダメージが足りてないんですよね。完凸で会心ダメージアップが配れるので、将来的に貯まったらアリかな〜とは妄想してます。

実はいわゆるベネバフのすごさがあまり分かってないんですが、今軽く調べてみたらLv90/祭礼90/天賦10で、ざっと攻撃力実値で585加算ですか。現実的なラインで80/80/8でも462。あれ、めっちゃ強くない……?

裟羅を採用する場合、雷共鳴になるので、粒子効率が上がって更なる元素加速と1凸効果の願力加速が期待でき、将軍がメインで回せそうな予感がしています。裟羅の元素爆発が連発できるなら旧貴族で更なるサポートもできそうですね。ここに耐性ダウンの風キャラも入れて、って感じでしょうか。

うーん、完凸しなくても強そうな気がじわじわとしてきました。育成候補に上げておきます。

 

……とまあこんなところでしょうか? 

この前胡桃編成を考えていた時には、ちょうど炎/岩で固めようという結論になったので、取り合いにならなくていい感じです。

刻晴ちゃんの出番がありません助けて

 

・結論:今後やるべきこと

・雷霊狩り→本人Lv90

・裟羅育成

・風枠のための翠緑厳選(熟知OPいつになったら出るんですか?)

 

こんなところで。

そりでは!

 

【初稿】2021/09/07 (ver.2.1時点)

シャニマス考察 pSSR【ピトス・エルピス】樋口円香

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みなさんこんにちは。

アイドルマスター大学シャイニーカラーズ学部ノクチル学科樋口円香ゼミの時間がやってまいりました。

 

今回のテーマは、【カラカラカラ】【ギンコ・ビローバ】に続く円香3枚目のpSSR【ピトス・エルピス】です。

ネタバレ……というより既読を前提に話を進めるので、未履修の方はコミュを堪能したうえで読み進めてください。

 

それでは行きましょう。

 

・宝石箱とは何なのか

本カードで描かれるストーリーは、大きく二つの柱があります。

一つは、コミュ②「hako」で提示され、その正体がtrueコミュ「gem」で明かされる「宝石箱」をめぐるエピソード。もう一つは、コミュ③「uru uru」以降で描かれる、歌を練習するあまり喉を痛めてしまう円香の姿です。

もちろんこの二つは密接に絡み合っていて、円香の内面が宝石箱というモチーフを通じて描かれている訳ですね。

 

宝石箱の顛末を追うとこうです。

事務所の倉庫に貯まった物を整理する中で、円香の古い宝石箱が見付かりますが、鍵の開かない箱に円香は特に執着せず、処分されることになります。

その後、偶然宝石箱の鍵が開かれ、trueコミュでは、結局中身は何も入っていなかったことが分かりますが、Pだけは箱自体がオルゴールであったことに気付きます。宝石箱は、音を閉じ込めていました。

 

もう少し掘り下げましょう。

宝石箱は、コミュ②で表れる地の文のようなテキストによると、「大切なものを仕舞うために作られた箱だった」、「誰にも気付かれないように」鍵をかけられ、「二度と浮かび上がってこないように」海に沈められた、とあります。

実際には海に沈んでいるのではなく、樋口家のクローゼットの片隅に追いやられていた訳ですが、この独白を円香のものだとすると、円香自身の意思で閉じ込められ、捨てられたということが窺えます。

 

それでは、円香が宝石箱の中に仕舞った、「大切なもの」とは何だったのでしょう?

それは、trueコミュでPがその存在を確信しているように、円香の「激情」、言い換えるならば熱意や気持ち、感情だろうと考えます。


・円香という人間の生き方

コミュ①「hibi」では、円香がお笑い番組を見ていても、楽しんでいるのに笑えない、あるいは笑いたくないということが見て取れます。もちろんくだらない一発ギャグで吹き出すところを見られるのは恥ずかしいという照れもあるでしょうが、意図的に笑い出さないように振る舞っているように感じます。

コミュ②では不要品の処分に逡巡するPを「未練がましい」と一蹴し、自身のものですら淡々と処分を進めます。

コミュ③「uru uru」では、コンサートに感動して涙を流すPに対して、演奏者の内面ではなく技術こそが観衆の心を動かす、という言葉を引用しています。

 

こうして見ると、周囲に対して徹底してクールな態度を貫く円香の姿は、少なくとも本人の意識の上では、意図的に感情を切り捨てているかのように映ります。Pのように喜怒哀楽をあらわにすることは、好ましくないと思っているようです。

ただし、円香にとって、「激情」のような暑苦しい想いは、コミュ②の独白から推察するに、欠けているのではなく、何らかの強い意思をもって目を背け続けている、というのが正確ではないかと思います。

(それが何故なのかは、今後のコミュで明かされていくことでしょう)


・Pとカラス

しかし円香はPによってアイドルとして見出されてしまいました。アイドルの魅力を引き出すことが本職であるPにとって、円香に眠っていたものを見出すのは自然なことなのかもしれません。あるいは、およそ正反対のタイプといえるPだからこそ、気付くことがあるということでしょうか。

 

コミュ④「kara su」では、針金のようなゴミを集めて巣を作るカラスと、カラスの駆除一つ取っても思いやりをもって丁寧に進めるPの姿が描かれます。

巣の中に光るビー玉を見つけて少しはしゃぐPは、「童心に帰って」と揶揄されていますが、ガラクタの中から光る物を見つけ出したのは、円香に捨てられそうになっていた宝石箱の真相に気付いたり、あるいは円香自身の真価に気付いたりという、「プロデューサー」としての一側面とリンクしているようにも思われます。

 

続くシーンで、練習のしすぎで喉を痛めている円香が登場します。既に求められている基準はクリアしているもののストイックに練習を続ける円香の姿に、円香自身の自覚はなくとも、Pは単なる「技術」の向上だけではない感情の片鱗や、円香が「正解」や「美しいもの」が見えているのではないかと感じ取ります。

思い出アピールの言葉を拝借するならば、円香には感情が「ない」のではなく「足り(てい)ない」のだということですね。

 

コミュ名については、カラスと、喉を「涸らす」まで練習に打ち込む円香、そして「うるうる」の対義語としての感情が「涸れ」ている様を示唆しているように思います。


・ピトス・エルピス

trueコミュ「gem」では、宝石箱が開かれ、Pは捨てられた宝石箱がオルゴールであったことに気付き、喉を痛めながらも懸命に練習を続ける円香に「激情」を見出します。円香がオルゴールと共に封じ込めた「大切なもの」がこの激情であった、ということを感じさせる演出で締めくくられます。

「激情」というのは単なる感情に止まらず、オルゴールが音色を鳴らすように、アイドルが歌に乗せて気持ちを伝えることだったり、そのための努力であったり、ということまで含めているかと思います。

もちろん、円香はアイドルにならなければ喉を涸らすまで歌うようなことはありませんでした。円香が封じ込めていた「激情」を呼び起こしたのは、他ならぬPということです。

 

ここで、カード名となっている「ピトス・エルピス」が示唆的な意味を持っています。これはいわゆる「パンドラの箱」の逸話を指していると考えられます。

<補足>
細かくはWikipedia等を読んでいただくとして、パンドーラーが神々から授かった「甕(=pithos)」を開けると、中から災いや病気があふれ出し世界に蔓延することになったが、「希望(=elpis)」だけは甕の中に残った、というギリシャ神話のエピソードです。ちなみにエルピスは希望を神格化した女神の名前でもあります。

英語やギリシャ語で頑張ってインターネットの海をさまよいましたが、「pithos elpis」というイディオムではあまり用いられていないようです。意訳すれば「(パンドラの)箱に残されたエルピス」ということになるでしょうか。

よってここで「elpis」という語を使っている以上は、あふれ出た厄災というよりも、中に残った希望の方に重点を置いているのではないかと思います。

(私は文学部で古典ギリシャ語の基礎をかじった程度なので、専門家のご意見が聞きたいところです)

 

平穏と心地良い停滞を望む円香が、アイドルとしての活動やPの熱意を通じて、感情を揺さぶられるという描写がこれまでのコミュでもたびたび描かれていたように、【ピトス・エルピス】での一連のコミュは、まさしくPが円香の秘める「激情」というパンドラの箱を開けてしまったことを象徴しているように思います。

円香にとって、感情を表に出すことが好ましくないだけでなく、コミュ①で円香が笑って吹き出してしまったためにPのシャツが汚れたり、コミュ③以降で自覚はないものの歌の練習に熱を上げるあまり喉を壊したりと、感情が表れるからこその(つまりパンドラの箱を開けてしまったが故の)トラブルというものもあります。

そうだとしても、Pもとい我々読み手が、trueコミュで「魂を削るように」歌う円香の姿を見て感じ取るのは、円香に秘められた「激情」であり、一度は捨てられかけて錆び付いたオルゴールの音色のようにまだ不完全ではあっても、ひたむきに努力を重ねるという「希望」ではないかと思うのです。

 


これまでのカードでも断片的に描かれてはいましたが、円香がただのクールぶったニヒリストではないということが、改めて確信できる一枚だったと思います。

私は【ギンコ・ビローバ】みたいなエッジの効かせ方より、【カラカラカラ】とかこういうテイストの方が好きですね。

樋口円香というキャラ、深い……。


ご意見ご感想歓迎です。それではこの辺で。

 

初稿:2021/09/05

 

原神近況 雷電将軍をお迎えする準備と宵宮ちゃんの未来

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旅人のみなさんこんにちは。

 

雷電将軍、発表時からツボだな~と思ってましたが動画やらなんやらを見るにつけもうハンパないですね。日本刀をぶん回す和装黒髪美人が好きにならないオタクなんているのでしょうか? いや、いません(反語)。

更新を控えてどんな編成で使おうかな~と妄想してます。

 

本人が元素爆発持続中にザクザク切り刻むタイプなので、周りは設置型/装備型の元素爆発だったりスキルだったりでお膳立てしつつ、自身の元素爆発でエネルギー供給+スキルでダメバフ撒けるので、PT単位でどんどん元素爆発を回せるというシナジーが見て取れます。

というわけで、相方筆頭は北斗姐さん。雷共鳴がよさそうなのと、80族で重い分持続と威力に優れた元素爆発が噛み合いそうです。シールド+ダメ低減も接近主体なら腐りません。惜しむらくは前回イベントをサボって完凸を逃していることでしょうか……。耐性-15%のすごさが今なら分かります。

似たような理由で、CT中のスイッチ先に元素爆発の瞬間風速に長けたエウルアさん。こちらもチャージ補助が欲しい。自身のターンでは超電導が活きます。

あとはヒーラーが欲しいので……手持ちだととりあえず行秋ですかね。最近真面目に天賦を上げていたら1本で数千ダメをポンポン出すようになるわスキルで4,5万叩き出すわでびっくりしています。とはいえ引っ張りだこなので、育成が追い付けば早柚とかベネットも面白そうだな~と思ってます。

 

そんなわけで北斗を高みへ引き上げるべく育成しているんですが、このキャラめちゃくちゃ楽しいですね。カウンターの爽快感と元素爆発の殲滅力が中々気持ちいいです。惜しむらくは手持ちで持たせてあげられる大剣が千岩くらいで、リーユエ勢がいなくなると途端に火力が落ちてしまうところ。逆に言えば凸の進んだ千岩(護摩爆死の副産物)はべらぼうに強いです。アプリゲームの例に漏れず限定ゲーですね。

 

あと最近の課題は宵宮ちゃんですね。巷で弱い弱いと叩かれ、Wikiやらのコメント欄も荒れ気味でかわいそうです。私は見た目で引きに行きましたが、言われるほど弱くはなくない?と思ってます。

範囲攻撃をほとんど持たないという明確な弱みがある一方で、しめ縄/弓蔵と抜群のシナジーを発揮してお手軽に火力を出せるというのが魅力かなと。攻撃回数に応じて粒子生成も多いのでしめ縄コストを超えて余裕で元素爆発も打てます。ただし手数で勝負する分ごまかしが利かず、天賦依存度・装備依存度はかなり高いです。愛を注げ。

今のところ聖遺物がほぼ未厳選・低レベルにもかかわらず刻晴ちゃんばりの火力を既に出せているので、時限アタッカーに足るだけの強さは持っていると思います。

近接キャラより遠い間合い(敵から1~1.5ステップ分くらい)でパスパスやったり、敵の攻撃をステップでひらひら交わしたりという戦闘スタイルは、先生のシールドに甘え慣れしてしまった自分には新鮮でけっこう楽しいです。アクションゲームの色んな楽しみ方を見せてくれるという点ではかなりいいキャラだと思っています。

 

構成面ですが、フィッシュル6凸がとんでもなく相性よさそうですね。私は届いてないので検証できてないですが、多分あの追撃って時間制限がなくて単純に通常攻撃トリガーなんですよね? 過負荷で吹っ飛ばしても追尾する弓通常なら全く関係ないので、抜群のシナジーだと思います。更におそらくキャラ突破の方の追撃天賦も乗るはず。過負荷で範囲攻撃もカバー。風の集敵要員と組み合わせればお祭りですね。ウェンティ?持ってませんけど……。

フィッシュルがイケるということは、雷電将軍も割と合いそうなので試す価値はあるかなと思ってます。

シールド要らずヒーラー要らずで自由度がかなり高いので、どんなPTでも仕事しそうですよね。フルスロットルからの元素爆発でバフも撒けますし、探索PTに弓は欲しいし。色々試してみます。

 

とにもかくにもVer2.1が楽しみですね。そりでは!

原神 編成考察メモ 胡桃編(Ver2.0時点)

相変わらず原神にハマっています。

今後の育成課題を整理しがてら編成を考えていこうというシリーズ。私のプレイスタイルはソロ&微課金で、何となく戦力を高めたいな~ぐらいのモチベです。ようやく世界ランクも8になりました。 

 

第一弾は胡桃。

火力が鬼強いのとかわいい(重要)ので一番育成が進んでいます。

 

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・キャラ性能

前提となる特徴について軽くおさらい。

①スキルによる9秒間の火力増加→12秒のCT(PT会心率にバフ)が存在する瞬間火力型。

②主なダメージソースはスキル中の炎属性の重撃・通常、元素爆発。接近戦かつスタミナ消費が激しい。

③元素爆発(60族)は単発・範囲攻撃・高火力。最低限の回復性能がある。

④HPがスキルコストなのでもりもり減るが、背水バフがあるため、低HPでの戦いが望ましい。

⑤HP依存で大幅な火力UPが見込める。攻撃力依存度が低い。

会心ダメージが伸びる(&相性のいい武器が会心ダメージ寄り)。

 

・PT内での役割

本人が場に出ている状態で一番輝くので、本質的にはメインアタッカー(=DPS)でしょう。一応、退場時の会心配布と血梅香の炎付与があるので後続のサポート力はありますが、CTが上がり次第表に出してあげたいところです。

DPS運用する場合、本人に求められるのは「HP・会心率の確保」、PTに求められるのは「スキル強化中の通常・重撃をお膳立てする蒸発・溶解要因」「シールドor背水を維持できる程度のヒーラー」+通常のバフデバフ要員、といったところでしょうか。

 

・武器

課金で頭がやられていた時期にちょうどPUされていたことで、何故か手元に護摩があるので、脳死で採用します。

高い会心ダメージは誰が持っても輝きますが、HP上限+20%に加えて、HP半減時はHP依存で攻撃力加算されるという胡桃のためにあるような性能。これ以外はありえない。

 

・聖遺物

砂はHP、杯は炎ダメ、冠は会心率。サブは会心率>HP>元素熟知>その他って感じで。ここは異論なさそうです。

会心ダメージを軽視している理由としては、本体Lv90+護摩Lv90で154.6%確保できているため。まずは会心率を80%ぐらいに持っていきたいところ。

 

セット効果はけっこう微妙なところで、鉄板と言えそうな4セットがありません。

逆飛び(シールド時通常重撃ダメ+40%)は、スキル中に接近戦で畳みかける戦闘スタイルのため、気づいたらシールドが剥げているということもあり、強敵相手のごり押し(龍王とか)には不向きです。また元素爆発にはバフがかからないので、単体により特化した運用になります。

Ver2.0ではしめ縄(スキル使用時に元素エネルギーを消費して、10秒間通常重撃ダメ+50%)も実装されていますが、元素爆発も重要なダメージソースかつ回復用に欲しいので、元素効率があまりよろしくない胡桃には合わなそうだなと感じています。2セット(攻撃力+18%)も旨味少ないですし。エアプですが、当面はもっとフィットするキャラに回したいところです。

 

なので、星5の2セットで考えていくと、まず千岩(HP+20%)は固いでしょう。HPを盛ればダメージも安定性も強化されます。

残る1枠が問題。炎魔女(炎ダメ+15%)が鉄板かと思いきや、固有天賦で炎ダメ+33%に杯バフ+46.6%、他にも岩共鳴や万葉を入れる場合などダメバフが過剰になりかねないので検討の余地があります。楽団(元素熟知+80)は素の熟知が0なら蒸発/溶解効果が15%弱UPするのでダメージ計算上は+0.225/0.3倍となり、常時反応が狙えるような構成ではアリ。爆発重視なら、旧貴族(元素爆発ダメ+20%)よりかは絶縁(元素チャージ+20%)ですかね。

他キャラ用の素材掘りをする中で、胡桃向きのHP寄りサブOPが出たら採用……と考えるほうが気が楽なので、しばらくは絶縁(しめ縄)を掘っていくことにしようかなと思います。意外と楽団が悪くなさそう、というより熟知が馬鹿にならないのも収穫。

 

・PT編成 現状分析

まずはたたき台として現状のPTを出します。

・胡桃……メイン火力。スキル時間とスタミナの続く限りギガドリルブレイクのごとく重撃を叩き込み続ける。

・鍾離……シールド付与。デバフ(全元素-20%)。西風で元素加速。千岩/悠久。元素爆発での雑魚散らし。ある程度HPに寄せてもHP比例の火力保証があるので美味しい。

・行秋……蒸発。西風+旧貴族4セットで元素爆発特化。砂は攻撃だが6凸したことにより若干元チャ過剰気味。

・凝光……岩共鳴(シールド時ダメ+15%)。剣闘士/悠久。W西風+鍾離スキルで即溜まる元素爆発(40)と2回のスキル(できれば重撃)を叩き込んでは即控えに回る。

コンセプトは、胡桃の弱みをカバーしつつスキル時間の制限を最大限に活かすこと。鍾離はシールドで手厚い介護。行秋は頻度の高い水元素付与で絶えず蒸発を狙い、背水を邪魔しない程度の回復。凝光は瞬間火力。

元素加速が豊富なので、胡桃のCT中に控えメンバーの元素爆発が溜まっており、それぞれ爆発とスキルを出したらまた胡桃に戻してちょうどいい塩梅。岩2名の火力スキルも馬鹿になりません。特に凝光ですが、スキルは集団にもけっこう刺さるうえに、不得意元素もほぼないので、胡桃の苦手な相手を見れます。元素爆発はスキルの後にちゃんと出せば150%*12発ぐらいで、実はかなりポテンシャルを秘めてます(お気に入りです)。

 

このように割と現状に満足してしまっているのですが、より高みを目指すにはどうすればいいのか?というのが今回のテーマ。

蒸発・熟知がいまひとつ伸び悩んでいる(ここは行秋の聖遺物を沈淪/旧貴族に見直してもいい)のと、胡桃自身の会心率が盛れないところが改善ポイントと見ています。あとは単純にもっとかわいい子を増やしたい。先生のことも好きだけどね……。

 

・PT編成 改善策

まずは共鳴について整理しておきます。シールド・会心率を重視したいです。

岩共鳴(シールド時ダメ+15%)は、シールドを採用するならぜひ付けたいところ。

氷共鳴(氷元素付着or凍結相手に会心率+15%)は溶解中心の編成なら噛み合いますが、炎攻撃の頻度についていける相方の確保がカギです。

炎(攻撃+25%)は活かしたいところですが、相対的にはあまり旨味がないです。ただ、炎付与→拡散翠緑4セットデバフ(8秒間拡散元素耐性-40%)を狙おうとすると、胡桃の攻撃前に炎付与してくれるパートナーが欲しいので、自ずから採用できます。

風(CT/スタミナ)は恩恵がありそうですが、手持ちにサポーターしかいないため2枠割くのはつらそう。雷は特にシナジーがないです。

ここでは、岩/氷を検討の筆頭としておきます。

 

次に、現状は乗算でかかる元素耐性デバフの付与手段が乏しいので、デバフを確保しておきたいです。そのため、編成はざっくり「鍾離+岩共鳴」型か「翠緑デバフ」型になるかと思っています。

 

〇鍾離+岩共鳴型

現在のPT構成で採用しているもの。胡桃+鍾離は固定なので、他の2枠(岩共鳴要員・水氷付与要員)が入れ替え候補ということになります。

 

凝光と比較した際の、他の岩キャラの長短を考えます。

アルベド……〇追撃による継続火力 〇エレベーター 〇鍾離ピラーとのシナジーは維持可能 ×蒸発溶解反応の阻害 

・ノエル……〇パッシブシールドでの保険 〇元素爆発により範囲攻撃に優れる ×表に出る時間が長い ×鍾離シールドとスキル被りする -もう1枠によってはヒーラーとしての利点が活きる

アルベドは岩で元素を食ってしまうので、少し考えどころ。実はノエルはちょこちょこ育てているのですが、元素爆発によるエクスカリバーが強い&時間も長いので、メイン寄りの運用が適していると感じます。本人の元素チャージがいまいちなのでスイッチアタッカーの相方は欲しいのですが、胡桃を若干持て余すかなと。

現状ではまだ凝光に軍配が上がりそうですが、稲妻勢ゴローくんの性能も注視しておきます。ショタバフがありそうですからね。

 

行秋くんの入れ替え先ですが、正直、あまり思いつきません。

通常トリガーの継続火力、元素付与、ダメージ軽減、ディレイ(ここ重要)ヒールとあまりにも性能が噛み合いすぎていて、一人で多くの役割を求められるこの構成では替えが利かなそうな気がしています。

ただし、胡桃が1凸できれば(願望)スタミナを使わず重撃を連発できるようになるため、元素爆発の発動頻度が下がってシナジーが薄れそうです(※)。交代を検討できるかもしれません。

裏にいながら高頻度で水・氷を付与可能、かつ行秋に匹敵する火力も出そうなキャラを探すと……甘雨ですね。持ってません。PU待ってます。この場合は回復手段が乏しいので、胡桃の元素爆発頻度を高めてあげたいです。

モナも候補には上がりそうですが、元素付与が持たない(5秒)のが痛いです。あとは珊瑚宮に期待でしょうか。こうしてみると水キャラって案外少ないです。タルタリヤ? 弊ワットでは聞かない名前ですね……。

 

※書いた後に行秋元素爆発の挙動を試してみたところ、重撃開始時の通常モーションでも起動するので、むしろ重撃ダッシュキャンセルで重撃自体の発動機会が増えるなら、あまり差はないかもしれません。ますます隙がねえ。

 

〇翠緑デバフ型

およそ胡桃+炎元素付与+拡散+フリーという構成になるかと思います。

胡桃のほかに炎付与要員を設けているのは、胡桃が自前スキルで炎付与→キャラ交代して拡散すると、スキルが即CT入りしてしまい本末転倒だからです。風キャラの設置スキルが使えれば解決できますが、いずれにせよ待ちの時間を作りたくないのでここは固定で行きます。……氷共鳴はできなくなってしまいました。

 

分かりやすい拡散要員は、Ver2.0現在、万葉orスクロースが候補です。

スクロース固有のメリットがあるとすると、熟知を配れることぐらいでしょうか。高頻度でダメバフを撒ける万葉が着々と育っているので、凸っていないスクロースにリソースを割くほどの強みはなさそうです。よって万葉を採用。

 

炎キャラはだいぶ数もいますが、シナジーを考慮するとけっこう一長一短な感じです。

・ベネット……元素爆発による抜きんでて強力なバフ。ヒーラー。いずれも胡桃とは噛み合うとは言い難いが、要育成&実地検証。

・香菱……元素爆発中の炎ダメ+15%。継続時間が長いので胡桃の代わりに元素を食いかねない点に注意。グォバーの炎耐性-15%は6秒なので活かしづらいか。

・辛炎……CT長めだがシールドあり。物理デバフ限定なのが惜しい。

 

アタッカーはどれも似たり寄ったりですね。アタッカー枠を同属性で固められる局面があれば、ありかもしれません。胡桃は炎スライムやアビスで止まりがちなので、個人的には避けたいです。

・宵宮……胡桃と同じく炎付与が時限なので風キャラとの切り替えにフィットしない。

・クレー……瞬間火力を出せるが、サポート性能はない。

・ディルック……常に表に出たいタイプで、サポート性能がない。

・煙緋……やっぱりサポート性能がない。スタミナを食い合う。

・アンバー……かわいい。

 

こうしてみると、炎/炎で胡桃がびたっとハマる構成がないという驚きの事実。

視点を変えれば、もう1枠に瞬間型の強力なアタッカーを置き、胡桃とスイッチさせつつ、拡散デバフ+炎共鳴でサポート、という構成が向く気がします。

スイッチアタッカーが炎元素を必要とするならば香菱、不要ならばベネットが最適だと踏んでいます。できればヒーラーが欲しいので、ベネット寄りで考えたいです。

では適したスイッチアタッカーがいるかというと……結局、甘雨タルタルあたりの不在メンバーが筆頭になるでしょうか。リアルモラが足りなくて困りました。

 

以上翠緑デバフの活かし方を色々考えてみたのですが、胡桃自身がかなり制限のキツいキャラなので、そこに元素反応を交えた時限デバフを入れようと思うと相当難しいですね……。結局、鍾離編成の方がシンプル&強そうな感じがします。流石先生。

 

現時点では難しそうですが、理論上は氷共鳴+溶解を主軸にしたPTも強そうなので、今後のデバフ手段の増加、炎/氷/風キャラの動向によっては、検討してもよさそうです。

楽して会心を盛る手段を考えたかったのに、聖遺物厳選という王道にして苦行の道しか残されていないことが分かりました。

 

・結論:今後やるべきこと

・甘雨は押さえておきたい。

・絶縁/しめ縄掘り。めざせ会心80%。

・行秋の聖遺物構成を色々試してみる。

 

ざっとこんな感じでしょうか。

次回、刻晴編orエウルア編もできればやりたいです。

 

そりでは!

 

【初稿】2021/08/18 (Ver2.0時点)