【ゲーム感想】ぬきたし&ぬきたし2 怒濤の下ネタと無限の感動、エロと笑いの熱血ノベルゲー
生ハメイトのみなさん、シコんにちは~
「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?」通称「ぬきたし」、そして続編の「ぬきたし2」があまりにも面白すぎて読み進める手が止まらず、我慢汁も止まらず、年末年始を粘膜えっちに捧げ、貴重な連休を痴情とセックスで終えることとなってしまいました。
マスをかいてイくのはここまでにして、以下は真面目に感想を書いていきたいと思います。途中までネタバレはありませんのでご安心ください。
・ぬきたしってどんなゲーム?
既にお察しかと思いますが、日常描写の大半が下ネタで埋め尽くされ、加えて数え切れないほどのパロディが詰め込まれたギャグ色の強い作品である、というのは第一印象通り、評判通りです。
とにかく浴びるようにネタをかまされ続けます。ネタ出し千本ノックでもやってんのかってぐらいです。物量もさることながら、声優さんの熱演も相まって、至ってド真面目に繰り広げられる様は狂気としか言い様がありません。
しかし宣伝では意図的にフォーカスされていないのだと思いますが、その実中身はギャグ一辺倒ではなく、かなり読み応えのある物語となっています。
どんな風にとかどの辺がというのは伏せておくとして、亀頭だけじゃなく目頭も熱くすることは間違いないです。
とはいえ全体的なトーンは明るくノリノリです。素っ頓狂な設定やエロありきとしか思えない事象を勢いでストーリーの要所に落とし込んでいく豪腕が見事でした。そんなバカなことあるかーいと笑いつつ、謎の説得力と感動があるんですよね。雰囲気としては「キルラキル」みたいな感じです。学園バトルものだし。
・ぬきたしとの出会い
前から「ぬきたし」の評判が良いことは聞き及んでいたのですが、公式サイトを見てもいまいちピンと来ず、あまり絵柄が好みじゃないなあと敬遠していました。
ところが、何とはなしに友人が流していたVtuper「ハメドリくん」の動画が、それはもうあまりにもツボに刺さってしまい、気づいたらぬきたし&ぬきたし2パックを買っていたのです。恐ろしいですね。
ゲームの雰囲気を掴んでもらうには「ボツシナリオ」シリーズもおすすめです。
この辺の動画を見て笑えるな~って人にはまず間違いなく楽しんでもらえるはずです。
ここまでふるい落とされなかった読者の中でよし、やってみるか!と思っている方がどれだけいるか分かりませんが、攻略順は「シナリオ選択画面のルート番号順」を強く推奨します。
紹介記事はここまでですので、是非楽しんでください。
それでは、よいドスケベライフを~!
・感想 総論
※ここから先はネタバレが含まれます
ひねりのない感想ですが、とにかく面白かったです。
それはひとえに、「退屈している時間がない」からかなと思っています。ずっと笑っているか泣いているかほっこりしているかという具合で、常に心を揺さぶられ続けられた数十時間でした。
暴論を承知で言うと、私は泣きゲーの日常パートって退屈じゃない?という感想を抱きがちで、何かつまらん文章読まされてるなぁと思ってしまうんですよね。
日常→問題→解決、というのがよくあるフィクションの基本構造だとすると、本作は前提の「日常」からして狂っているので、いきなりトップギアなわけです。「ドスケベ条例→ドスケベ条例をぶっ潰す!」ということですね。
ギャグの力と勢いに引っ張られて読んでいると、自然とキャラクターに愛着が沸いてくるというところが良いなぁと思います。
本作は極めて王道のストーリー展開なのですが、やはり王道は面白いのです。(ドーナドーナの時も同じことを言った気がする)
ぬきたし無印の各ルートで敵対していた組織が、グランドルートでは協力関係になって、さらにぬきたし2では無印のラスボスまでも共闘に抱き込むという激アツ展開とか。
拳(本作ではバイブになりがち)で互いの信念をぶつけ合うラストバトルとか。師匠について特訓をするとか。この辺は少年漫画的といっていいかもしれません。
余談ですが、ジョジョパロのチョイスがいいですよね。ありがちなラインはスルーして元旦におろしたパンツとか(オナホールの)黄金回転エネルギーを持ってくるあたりがプロだなと思います。
蓋を開けてみればバトルものと言っていいのだと思いますが、そこでも徹底してエロギャグを忘れない姿勢を貫いていることに圧倒されます。最終盤は「アツくてめちゃくちゃ感動する」思いと「いやそれは卑怯でしょ」というツッコミの間で、爆笑しながら感動するという希有な体験ができました。
・感想 キャラクター編
各キャラへの思いの丈を綴っていきたいと思います。オタクの語り場とも言います。
あとこのあたりで色んな物語のifの可能性を味わえるのはゲームならではだよね……って話を書こうとしていたのですが、「ぼくたちは飲尿ができない」とかいう漫画を反例に挙げられそうなことに気づいたので、やめておきます。
<橘淳之介>
めちゃくちゃ格好いい魅せ場だらけの男。えっちシーンだけ言葉遣いが竿役のおっさんみたいになることとヒロインと付き合い始めると急に台無しになるという欠点を除けばこれ以上ない主人公。
淳之介の信じる"正義"のために島を変えていくというのが本作の大筋なのですが、大それたものでは全然なくて、本当に等身大の思いだからこそ、感情移入できるところです。「愛するもの、守りたいもののために力を出せる」ってシンプルだけど一番強いことですよね。
<橘麻沙音>
妹。淳之介がぶっ飛んでいるので比較的ツッコミを担いがち。
無印ではそれこそ居て当たり前、という存在だったのが2では一転してしまい、抱擁スチルでは上の穴からお汁が止まらないよぅ……状態でした。A世界に帰ってきて「橘家はこうじゃなくっちゃな」と心底ほっとしたのを覚えています。
長台詞はもちろんシリアス寄りの演技もこなせるそらまめ。さんの名演が光ってますね。
というか今の時代、近親相姦もオッケーってことになったんですかね? アサちゃんシナリオはかなり鬱エンドすれすれだと個人的には思っています。
<渡会ヒナミ>
ロリじゃないですけど!(これを我慢できないオタクはいないと思う)
愛嬌のあるマスコット的な立ち位置でめちゃくちゃ可愛い。
実は一番最初にクリアしたのがヒナミルートだったのですが、バカゲーかと高をくくっていたのにそれはもうダバダバに感動してしまい、"分からされ"た記憶があります。
無印のヒナミは、どちらかというと礼と合わせてヒロインというか、やっぱロリはなぁ……という感じだったのですが、アフターの最後の最後で持ってかれましたね。
声優の飴川紫乃さんは、偶然にも直前に「ドーナドーナ」のキラキラ役で聞いていたのですが、あまりにもキャラが違う声を自然に出していてびっくりしました。とてもかわいくかつえっちで良いと思います。
<片桐奈々瀬>
幼なじみは報われないというジンクスを体現してしまったヒロイン。
奈々瀬ルートはたしかいちゃラブしてたら終わっていてあんまりすっきりとしなかったような。
不幸なことに、他ルートの方が魅力が引き出ている気がしますね。淳之介への接し方がすごく自然というか。手のひらを返したように応援するねっていうのでもなく、淳之介だからそうするということを分かった上で、若干のジェラシーもありつつ支える感じとか。
おそらく全ヒロインで最も常識人でありながら、深みのあるキャラだと思います。
<畔美岬>
押しも押されぬギャグ枠。(重いし)
どんなときも美岬がいれば元気になれる。ムードメーカーで明るい女の子の描き方は一つではないんだなと思いました。
一番感動したのがヒナミルートだとすれば、一番笑ったのが美岬ルートであることは間違いないです。他のルートでも淳之介にちゃっかりアピールしてるのが可愛いですね。
ストーリー的な正ヒロインは文乃になりますが、ぬきたしを代表するヒロインとしては美岬の方が「らしい」と思っています。
<冷泉院桐香>
生徒会長なのに後輩枠、不思議ちゃんっぽさもある。多くのルートでNTR性癖に目覚めてしまう。
無印から2で一番評価を上げたのは桐香でした。少し取っつきづらさというかあふれ出るカリスマオーラのせいであまりそういう対象に見えないところがあったのですが、桐香も普通の女の子なんだよという部分を2で掘り下げて描いた(むしろそれがメインテーマのような)からだろうかと思います。B世界では、淳之介が君臨することで会長としての肩の荷も降りているのか、はたまたラブラブだからなのか、どことなく生き生きしている気もします。
<糺川礼>
アナルの弱そうな風紀委員長。本作の泣きゲー担当。
めっちゃ好きです。私はそもそもこういうギャップのあるキャラがツボなのですが、それを差し引いても可愛い。厳しい上官だけどプライベートでは優しくて、真面目だけど不器用で努力家なんて、好きにならない訳がないからですね。
そして礼先輩はヒナミルートと礼ルートで二度美味しい。ともすればNLNSの誰よりも淳之介によって救われたと言えるのは礼なんじゃないかと思います。椅子スチルでは泣かざるを得ない。それ以外のルートだと大抵ヒナミに泣きついているかわいそうな人になるがそれもまた良し。
<女部田郁子>
とにかくえっちっちなキャラ。立ち絵がR-18。
郁子も2での掘り下げがかなりよかったです。というより、元がちょっとエロに振り切れていた分根っこの真面目な部分というか、本来の人柄が浮き出てきたという感じでしょうか。
方言キャラというあざと可愛い属性も持ち合わせています。長崎弁えっちは反則ばい!
ちなみに、ハメドリくんボイスが一番上手かったのは郁子だと思いました。
<琴寄文乃>
隠しヒロインでありながら正史ヒロイン。白髪キャラということで同人時代からの過去作とのつながりとかあるんですかね?
正直、無印の時点ではあまり推せなかったのですが、2で「従者とご主人様」という関係から対等なパートナーになったことで、ようやく納得いったというか、夕焼けのあの場所でのスチルを見てすっかり感動してしまいました。あとはえっちに積極性が出てきた点が高評価ですね。
<秋野水引>
2のラスボスであり無印で淳之介が救えなかった女の子。エロゲ的な文脈では男の娘。
2を読み進めている間は流石に浅い悪役ムーブすぎてちょっと見劣りするなあと思っていたのですが、ラストバトルでの魂の叫びを聞いていて、2は水引ちゃんのための物語だったんだなと腑に落ちました。2のOP曲の「僕らはきっと、そう生きていたいだけ」というフレーズが突き刺さります。
シューベルトともども、淳之介の友人ポジとして幸せにしている姿に本当に心が温まります。
<スス子>
アペンドでまさかのルート実装された後輩ちゃん。さらしと巨乳は男のロマン。
実はB世界を変えてしまったかもしれないすごい子という説があります。
スス子とスッススすこすこ。
本当は花丸とか県知事とか手嶋とかイクイクセーシについても語りたいのですが、キリがないのでメインどころにとどめておきます。
・感想 音楽とか
主題歌のみならず、作中の音楽もとても良かったです。作品のごちゃ混ぜ感に合うように曲調もバラエティー豊かでした。各シーンに寄り添うように盛り上げながら、つい耳に残ってしまうような曲が多かったなと思います。
気づいたらサントラ、2のサントラ、キャラソンまでポチっていました。
メインで担当されているえびかれー伯爵さんは、エロゲーを中心に曲を作られている方のようなので、今後の担当作をチェックしていきたいですね。
・まとめ
長々と書き連ねてしまいましたが、本当に良い作品に出会えたなという気持ちです。自分のストライクゾーンど真ん中にぶち込まれた会心の作品でした。
令和になってもエロゲーからこれだけの作品が出てくるのはうれしい限りですね。しかしもっと早く気づいていたかった……。
Qruppoさんの次回作も楽しみにしています。
以上
2021/01/11:初稿