たいつノート

ゲーム等の感想置き場

【ゲーム感想】It Takes Two 究極のCO-OP体験が味わえる贅沢で上質なオールジャンルゲーム

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みなさんこんにちは。

最近、人とゲームしてますか?

 

PvPでネットの向こうの誰かと対戦する……のもそれはそれで楽しいのですが、今回はちょっと違う話です。
放課後にゲーム機やらコントローラーを持ち寄って、友達と顔を突き合わせて遊ぶような、そういうゲームの楽しさってあったよね、と思います。

ここ最近、コミュニケーションとしてのゲームの価値が見直されているような気がしています。きっかけは間違いなくコロナだったと思いますが、配信・実況文化の広がりであったり、幅広いユーザーを持つアプリゲームの隆盛も大きな流れの一つでしょう。

 

そんな中で、Hazelight/EAがとんでもない作品を送り込んできました。2人プレイ専用ゲーム、その名も「It Takes Two」です。

 

以下、ネタバレなしの紹介文です。

 

基本的には箱庭アクション(いわゆる3Dマリオ)になっているのですが、場面場面で目まぐるしく展開が変わり、あらゆるゲームの「楽しい!」がこれでもかと詰め込まれています。

横スクロール、古き良きシューティング、TPS、ステルスアクション、レース、パズル、音ゲー、格ゲー等々、どことなく元ネタが見えるものからそうでないものまで、とにかくゲーム愛に満ち溢れた遊びの連続です。

 

詳細は伏せますが、これに呼応するようにフィールド・楽曲のバリエーションもすさまじく、一つのゲーム内でここまで幅のある表現も珍しいのではないかと思います。大抵は素材や工数の都合でコンパチを設けるのが常ですが、本作にはほぼありません。ボリュームを考えるとえらい贅沢です。

 

ストーリーは素直ですが、キャラクターの味付けがどれも絶妙で、ついつい引き込まれてしまいます。ムービー演出もかなりこだわられていて、アクションパートは特によいです。聞いたところによるとディレクターは映画監督でもあるようなので、その影響でしょうか。

一部のADVはプレイする映画……という表現をされることがありますが、本作はむしろ、映画級の演出を盛り込んだゲームという印象です。プレイとムービーがシームレスでグッと感情移入できます。

 

難易度調整も見事で、2人で協力しなければクリアできないことは当然なのですが、誘導の仕方やレベルデザインが上手く、徐々に高度なことを「自分たちで」できるようになっていく達成感が得られる仕組みが見事です。カジュアルゲームっぽく見えますが、ゲーマー2名でやっていてもつまらなかったり作業っぽいところはなく、ほどよい歯ごたえでした。

 

そして驚くべきことに、これがミドルプライス(4千円ちょい)で、製品版を持っている人はフレンドを招待してタダで遊んでもらえるんですね。

プレイ時間はおよそ14~16時間とコンパクトですが、多忙な方でも十分クリアできるボリュームということで、逆にいいんじゃないでしょうか。

 

総評として、間違いなく「買い」の1本だと思います。

普段ゲームはあんまり……という人でも全然できるので、フレンドを強引に誘ってプレイしましょう。

 

初稿:2021/05/15