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ゲーム等の感想置き場

【ゲーム感想】ドーナドーナ 倫理観0で爽やかポップなジュブナイルRPG

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みなさんこんばんは。ご無沙汰しております。

布教用記事につきネタバレは一切なしですのでご安心ください。

 

・簡単な紹介

このゲームを一言で表すなら?と聞かれたら迷わず「R-18版のペルソナ」と言いたくなるような、爽やか~な青春もののRPGです。

オープニングをご覧ください。

youtu.be

 

公式サイトを見るとキャラやビジュアルの雰囲気なんかは掴んでもらえると思います。かわいいですね。

www.alicesoft.com

 

あまりゲーム内容の詳細が書かれていないのでざっくり説明すると、「誘拐・監禁した人材に売春を強要して資金源にしながら暴行略奪等々の反社会的活動に勤しむゲーム」という感じです。最低ですね。


このギャップこそが本作の魅力もといアイデンティティーなのですが、悲しいかなあまりにもエッジの効いた設定なので人には勧めづらい。悲しいけれど仕方ない、これはエロゲーですからね。

倫理的な観点を抜きにすれば、フィクションとしてめちゃくちゃ面白いゲームであることは保証するので、ここでふるい落とされなかった人は、少なくともそれだけで楽しめる素質はあるんじゃないかと思います。

 

以下、個々の要素について感想など。点数は5点満点で何となくつけてます。

 

・シナリオ 4/5

魅力的な仲間キャラがいて、サブキャラがいて、倒すべき相手がいて、日常とバトルがあって……という、JRPGの王道を行く作りです。絶賛するほどの目新しさはなくても、王道というのはやはり良いから王道たり得るんですよね。

現代を舞台にしたRPGというだけでなかなか珍しいですし(ペルソナが引き合いに出される所以)、エロ要素との親和性を考えてもここは推せるポイントです。

 

シナリオの印象としては、ゲームパートをしっかり牽引するだけのストーリーラインがありながら、読まされ感もなく、するすると気づけば話に引き込まれてしまいます。

各キャラ回の作り方がややワンパターンに映る気がしなくもないですが、エロ要素(各ヒロインは必ず一回はひどい目に遭います。エロゲーなので。)の都合と考えればむしろ様式美かなと。

中盤の山場からエンディングまで若干シリアス目の展開ですが、途中アツいシーンも多く盛り上がりは十分です。ラストはとても爽快な気分で終えることができました。

 

何といっても、とにかくキャラが良いですね。基本はギャグベースの軽い掛け合いでテンポよく進み、どのキャラにも愛着が沸いてきて自然と感情移入してしまいます。ちなみに私はザッパと菊千代ちゃんがお気に入りです。

ライバルクランの男キャラやお助けポジションのお姉さんキャラ等々、サブキャラもまた濃いメンツがそろっており、これまた良いキャラばっかりなんですね。男キャラがカッコいいのは名作の条件。

キャストの演技も最初こそ一部どうかな~と感じていたのですが(ア○テナとか)、しばらくすると完全に慣れきって、やっぱりボイス付きはいいなぁと思ったのでした。

エロシーンのことも考えればフルボイスは英断ですね。

 

・グラフィック 4.5/5

2DのRPGとしては最高峰と言っていい仕上がりではないでしょうか。

今日日コンシューマ界隈ではそもそも3DでないRPGが珍しく(日本一ソフトウェアあたりがシコシコと作ってるぐらいの印象)、最近私が触れるタイトルはインディーズが多いのですが、当然そこは老舗のPCゲー屋らしく、本作のクオリティーは図抜けていると思います。

特に触った時の動きの気持ちよさは格別で、戦闘アニメーションなどは飽きずに何回でも見てられます。これを原画の魚介さん一人で担当されているらしいのが驚きですね。

UIまわりもスタイリッシュかつ快適で(ペルソナが引き合いに出される所以その2)、これぞ令和のRPGだなぁという出来映えです。やはり触ってるだけで楽しい!というのは繰り返し動作が多いゲームにおいて大事な要素だと思っています。

 

割と個人的なポイントですが、本作はマップをバッサリ簡略化して点と線で構成していたり、シナリオパートでのアニメーションを全廃したり、制作側の省力化が快適なプレイテンポに繋がっているところが上手く、そういう部分にも非常に好感が持てます。何でもかんでも盛ればいいってもんじゃないんですよね。

 

エロシーンの一枚絵もかなりクオリティ高めです。しっかりボリュームがあるのもうれしいですね。抜き要素を重視される方は、絵柄の合う合わないを公式サイトなどでチェックしておきましょう。


・ゲームパート 4.5/5

アリスソフトの何が好きかって言うと、やはりここですね。

ハルウリ・ヒトカリと大きな二本の柱がありますが、どちらもよくできています。

 

ハルウリはもっぱらユニークキャラのイベント解放がメインの目的(ぶっちゃけるとCG回収目的)になるとは思いますが、人材マネジメント的な要素もしっかりあってそれなりに楽しめます。

気づけば可愛い子や有能な子にばかり資源が投下され、取るに足らない嬢は使い捨てられるようになっていくのですが、そういう残酷な仕打ちを繰り返していくことで罪悪感はいや増し、ちんちんはますます硬くなっていくという、本当に最低なゲームですね。

 

ヒトカリつまりバトルは、コマンド選択式のRPGになっているのですが、シンプルな見た目と心地よい操作感とは裏腹に、案外考える要素が多いです。

「一次元タクティカル」と表現されていたのは言い得て妙だと思いますが、隊列や位置取りが肝になるという点がまず一つ。「この技強いんだけど範囲が合わなくて出せないな~」とか「敵の前衛にデバフ入れたいけどこのキャラ前に出すと脆いんだよな、体力持つかな~」とか、ほどよく悩ませてくれます。知ってる人は知っている、Darkest Dungeonみたいな感じ。

仲間の入れ替えもポイントです。ノーコストで戦闘中にも戦闘メンバーと控えメンバーを入れ替えられるのですが、探索中にMPは一切回復しない仕様なので、交換をしないと自ずと行き詰まってきます。加えて、イベント解放に繋がる好感度が「主人公と一緒に前衛で戦闘を終える」ことで貯まっていくので、育てたいキャラやお気に入りのキャラを入れ替えるタイミングにこれまた悩みます。

また一戦ごとの戦闘評価で貰える経験値が変わってくるので、雑魚戦でもダレることなく、最適解を常に目指したくなるのも上手いポイントです。

 

色々書きましたが、重すぎず長すぎず、かといって消化試合にならない程度の絶妙なバランスで成り立ってるので、とにかくバトルが楽しいんですよね。

個人的な好みですが、「悩まされる」「選ばされる」ことにゲームの面白みを感じるので、こういう仕様は大好きです。ボタンポチポチで終わる戦闘のなんとつまらないことか……。

 

不満点があるとすると、レベル補正と終盤のインフレがけっこうキツいので、スタメン落ちしたキャラが割とあっさり使い物にならなくなることでしょうか。

とはいえラスボス戦はフルメンバー使い倒して最後の一キャラが残るだけの死闘になりました。ラスボスに限らず、要所の戦闘はけっこう手強く文字通り手に汗握る戦いが楽しめます。

 

サウンド 4.5/5

めちゃくちゃ良いんです。

ここは素人がああだこうだ言うより視聴PVを聞いてもらうのが早いですね。

youtu.be


ゲームの世界観に沿うような、全体的にはいかにもノリのいい電子音楽な雰囲気ですが、フィールド曲はやたらカッコよかったり緩急が付いていたり、あとは各クランやとあるボスのテーマ曲も印象深いです。

 

主に作曲を担当されている水夏えるさんはランス10でもおなじみですが、特にテンションの上がる戦闘曲が冴えてるな~と思います。

通常戦闘曲はキャッチーでやたら耳に残りますし、飽きるほど聞いてるはずなのに飽きない気持ちよさがあります(ペルソナが引き合いに出される所以、ノンボーカルだけど)。

中ボス戦も、溜めて溜めて爆発させるサビがアツいのはもちろんなんですが、その盛り上がりを保ったまま次のループに着地させるブリッジの作り方がすごい上手いですよね。"Shade節"ならぬ"える節"が効いてます。

 

ちょっと脱線してメタい語りを入れると、ゲームジャンルのなかでも、BGMが"目立ってよくて、ちゃんと聞ける"のはこういうタイプのRPGだと思うわけです。

アクションは操作に忙しいし、ノベルゲーは読むのに集中しがちだし、オープンワールドは音楽がうるさいとダメだし、その点コマンド選択型のRPGなら、"使う頭が別"というかちゃんと考えつつもしっかり音楽を聴けるんですよね。

結果的に、メロディーラインのしっかりした曲や印象に残る曲が生まれやすいのかなあと思っています。

 

ちなみに私が一番好きなのは、ハルウリで顧客を入れるときの曲ですね。ダンスフロアで流れていそうな、どちらかというと淡々とした曲ですが、今からいけないことをするぞ~ってな高揚感と夜の町の雰囲気が見事に出ていて、曲調以上に昂ぶりを感じます。準備時間では前奏っぽいおとなしめのループが流れていて、開店と同時にガッと音が入るのがめちゃくちゃ気持ちいいんですが、サントラだと反映されてなくて悲しいですね……。


・エロ 4/5

本作の傾向を一言で表すなら、「ダイバーシティー」てなとこでしょうか。令和のエロですね。

色んなキャラと色んなシチュエーションが楽しめます。長らくアリスソフトの看板を背負っていたランス君は何かとレイプしがちだったため、こういうのもアリだね~と少し目からウロコでした。

 

いわゆるギャルゲーだとヒロインとの和姦がメインになるのだと思いますが、本作はまったくそんなことはないので、ハードコアな方も安心です。私は数回心が折れかけました。終名許すまじ。

ハルウリパートもこれまた多様なシチュが用意されており、逆にこちらも陵辱一辺倒ではなく、なにがしかのキャラは股間に響きうるのではないでしょうか。


・総評 4.5/5

○テンポの良さ。触ってるのが楽しくて気づくと止め時がない。

エロゲーはキャラが良くてナンボ。みんな好き。

○バトル全般。爽快で歯ごたえあってアツくて最高。

×避けられないハードエロ。人権意識のなさ。

 

エロゲーに抵抗なくて、雰囲気いいな~とかキャラ可愛いな~って思ったら、買いです!

 

↓パケ版

www.dmm.co.jp

 

↓DL版

www.a-cute.jp

 

 

アフィじゃないんですよ。このゲームが一人でも多くのオタクに届きますように……。

(聖夜に祈りを込めて)

 

以上

 

初稿:2020/12/24